Parallel Lines

Parallel Linesは、「見ることのかたわら」展（旧門谷小学校）で行った展示の総称である。

展示場所の教室内に、関連する3つの作品「別の道」、「別の役」、「熱と歩く」を設置した。

展示によせたテキスト：

道をたどって、土地から土地へ。移動することを、身体をつかって線を引くことだととらえてみる。

山道の静寂も街の喧噪も、別々に思える場所は地つづきで、道をたどれば行き来ができる。移動する人その人も、それぞれの土地にひきずられ、その中ごとに役を変えて、作家であったり、店員であったり、家族であったり見知らぬ人であったりしながら、心身を更新していく。

移動のなかで、いま、同時に進行している別の土地のことを想像してみる。だれもいない校庭の朝礼台で、鳥の声を聞きながら、昨日出てきた東京の今頃を想像する。(2015.5)

床にマスキングテープを並べて貼っていき、カットして２本の並んだ白線を作っている。

向かって左の線は自分の住んでいる東京都の家の前にある道の形を、右の線は展示場所である愛知県新城市門谷にある道の形を、地図から引用している。

中古の本を購入すると、前の持ち主が引いた鉛筆の線が残ってあることがある。

それを摸して、中古の文庫本のなかでも、特に一人称が「私」で書かれたフィクションのものを選び、「私は ...した。」という一文を、それぞれ選んで線を引いてマークした。

線を引いた箇所の内容によって、似ているものや対称的なものなどの対にして会場にある棚に並べ、24冊を展示した。

やかんから熱湯を撒きながら、旧門谷小学校の校庭を歩く人の映像。

映像では、人の後ろに湯気が立ち、少しの間半透明な壁をつくる。撒かれたお湯はなめくじの通った跡のように光った後、土を固めて線になっていく。

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